おいしいお茶みつけたっ!《幻の中国茶を求めて》ChinatyParty.

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2006年08月08日

06祁門《礼茶AAA》

【祁門】《06礼茶AAA》は例年で言う所の《幻》!
祁門礼茶の数種中、一番仕上がりの好かったロットね♪

今春の黄山地区は、碧螺春や龍井などが理想的な気候だったのとは違い、
雨量が多く産量も少なく品質のばらつきも…。

6代目の家で多種を評茶しましたが、《06礼茶AAA》以外に文句無く満足できて
「飲みたい♪」と思う茶葉が個人的に(!)無かったため
(その前の碧・龍・鉄があまりに好すぎたせいかも~)、
現場で最終的に選んだのはこの1種のみです。

《06礼茶AAA》は新鮮で極品祁門特徴バランスが好く
「やっぱ祁門おいしいっ!」の一言♪(笑笑)

気候影響で例年より若干「淡」特徴ですが、このような内質特徴を持つ礼茶を
好い環境で寝かせると、すんばらしい~祁門の陳年茶になることが期待できるので
(これまでの《幻》も持参して評茶してきたので確か!…きっと。笑笑)、
すぐに楽しむ用とは別に、陳年茶用は現場で大ロット真空にし
すでに祁門専門の茶箱の中で眠っています。楽しみ~♪

礼茶の一斉評茶の時、これより外形が烏黒で艶々で金毫が多く見たこともないような
素晴らしい外質のロットもあり、これには思わず目を見張りましたが
「待て。落ち着け。飲んでみないことには分からない。」と評茶。

結果は予想に反し、目を見張った外質ロットの外と内のギャップにはとにかく驚いた。
香気・磁味・湯色・鮮度ともに《06礼茶AAA》の方が明らかに秀でていて、また学びました。
「見かけで騙されるなー!」(笑笑)

外質は重要な参考や評価の基準になりますが、それ以上に祁紅も内質が重要!
最初は『まあ飲んでみて』とだけ言っていた作り手さんたちも同意見で、
評茶して《06礼茶AAA》を選んだ瞬間嬉しそうな表情に変わり内質評価に加わってきて
今春の製茶時期の気候と各因子の関係などを話し合い始めました。
『でも、見かけを要求する人は多いから。』とも、おっっしゃっていた。
なるほどなぁ…。
その晩は小[女尼]子とふたりでお茶を飲みながらいろいろ話し込みました。

しかし《幻》とはなかなか書けなくなってきてしまった~。
どうも03秋あたりから、そうと知らずにとんでもない茶葉に出会ってしまっていて。。。
「あれこそ幻の茶葉だ…。」ぞくぞくと気付くんです。
後になって!!(笑笑)

投稿者 愛子 : 12:19 | コメント (0) | トラックバック

06春鉄観音:《桂花》

《桂花》は、おとんも最後まで[火考]火するのにためらいが残るくらい
伝統濃香が出ている素晴らしい清香型仕上がりでしたが、
これを熟香型にすることに対しおとんは、
『そりゃ~うまいさ。ここらへんの昔の人はみんな好きだよ。でももったいないなー。』
『でも気候も習慣も違うから、これを熟香型にして日本で飲むのは確かにいい方法だな。』
結局、[火考]火の前を味わう用にも一部保留する、ということでおとんも大納得でGO、
そして成功~♪

鉄観音の春と秋では特徴が違い、一般的に気候や原料の特性から
春茶は秋茶よりも水が甘くまた秋茶とは比較にならないくらい足が早いので、
春の清香型の極品を選ぶことは避けています。
碧螺春や龍井が高価なので春のその頃にはもう息切れ・・・
という個人的現実もありますが。はは!

春の清香型を長期保存するのは厳しいです。
しかし逆に、春の特徴である水の甘さが重く出たタイプを[火考]火すると、
秋茶の同等クラスを使うよりおいしい~熟香型になる!
また逆に、産量が少ない秋の内質の好い鉄観音はとても貴重で高価にもなり、
長期保存が出来るタイプの極品秋茶をここまで[火考]火することはしない!
そんな背景もあり、春と秋とでは視点を変えています。
「春は熟香型、気軽にざくざく楽しめる予算、保存が比較的楽で長い年月楽しめる[火考]火法、
でも陳年茶にできる価値がある原料と仕上がりのみ!」
と絞っていました。

06春の気候状況では例年より産量が極端に少なく、
バランス好い伝統法濃香で熟香型候補になるタイプは更に少なかったため、
おとんは素晴らしい仕上がりだった《桂花》を念のためキープしてくれていて、
ちょっともったいないなーとは考えたものの、一部保留した「前」と思い切って[火考]火した「後」と、
どちらも贅沢で体が震えるほどで(笑笑)嬉しい結果となりました♪

投稿者 愛子 : 12:10 | コメント (0) | トラックバック

茉莉花茶便り~♪

06愛里花茶(茉莉花茶)、遠隔製茶(?!)していま~す♪

茉莉花茶作りは、春天から始まります。
茶[土丕]産地と連絡が始まる3月~4月。
オーダーした茶[土丕]など茶[土丕]サンプルが届き始める5月。
6月には、花園気候や花苗生長状況など花産地との連絡が始まる&茶[土丕]の確認と最終決定。
7月に入ると、日々気象衛星で天候を読みながら、数日置きに花園&工場との電話連絡。
気候と花収穫のタイミングをみながら茶[土丕]を復火し、鮮花を迎える準備。
洗茶する頭yin用鮮花が届くとyin花行程が本格的にスタート。
仕上がりまで電話連絡が密になる。

↑ざっとこんな感じの長期プロジェクト~♪(笑笑)


あの「がははオーナー♪」と日本から連絡を取りながら、先週まで出発のタイミングを
見ていたのですが、今夏の状況を総合的に判断して行かないことにしました。
大好きな大好きな茉莉花の香り~♪ に包まれない夏は、ちょっぴり淋しぃ…。

福建省の沿岸部も春後半から気候影響で雨量が多く、気温も上がらず開花も遅れ、
また開花ベストシーズンでもある7月中旬から月末に台風が連続したため、
もともと蕾が少ない年なのに、香気の高い好花が摘める35度以上の高気温が連続する日と
開花タイミングとが安定して続かなかったため、多yinの花茶のyin花スタートから仕上がりまでが
読めなかったのです。
台風はまた連続して来ていますしねぇ・・・。

そんな今年の状況で予想できたこと。
・多yinの極品yin花加工には例年より日数がかかる。
・1ヶ月以上工場滞在して製茶に参加しても仕上がるかどうか怪しい。
・花虫が花から出始める季節までに多yinの最終工程までもっていけるか怪しい。
・04年は大当たり年、あの年の気候を待ってはこの先10~20年作れないので今夏法を要考慮。
・日数がかかっても好花のタイミングを見ながら焦らずに少しずつyin花を進めたほうが好い。
・仕上がり後は気候安定するまでオーナーの茉莉花茶専用の茶庫から動かさないほうが好い。

他の現実面。
・茶[土丕]は春の時点でオーダーし、確認評茶後に現場キープしてあるので問題なし。
・緑茶や鉄観音とは違い、1種の茶[土丕]が数日置きに進行するので連日側にいる必要なし。
・流通用の花茶と違うあのyin花法をすると、冬頃に茶葉内質が伸びるので引き取り焦る必要なし。
・保管、鮮度保存、これはオーナーが茉莉花茶の専門家だし信頼しているから心配なし。
・あのyin花法のこだわりを理解しているオーナーが楽しんでくれているので製茶加工も心配なし。
・日本でやりたいこと整理したいことも溜まっている、片付けたい。
・今夏は航空チケット代が高すぎる、8月に行けば秋は予算的に行けない可能性が高くなる。

残る問題。
・愛里花茶に使う「あの花」が必要量収穫できるか、採れたとして8yinまで採花できるか。
しかし、こればかりは気候次第なので人間の努力でどうすることもできない。

そんなこんなで、今夏は鮮花の選択等等の現場は花茶の大師匠であるオーナーに任せ、
迎えに行くのは茶葉状態も気候も気温も安定する秋にしようと決めましたっ!


春から相談しながら選んでいた茶[土丕](茉莉花茶の原料緑茶)は3種。
そのうち2種は、ふふふ。。。途中からそれぞれ独立して単独8yin目指していまーす♪

その年の状況をよく見てその時に出来る範囲でのベストを尽くしたい!
電話で連絡を取りながら、台風の合い間を縫って7月から進めていました。
台風の合い間に来た高気温が続いた好条件日を選び、開花タイミングが来た「あの花」が
夕方にまとめて摘めたら、それを花園のオーナーが工場のオーナーに届けてくれる。
そんな風にタイミングを待ちながら日数をかけて少しずつyin花進行~♪

 

今思えば。。。01年、02年03年、そして04年!!!

あの04の夏天に腹を据えて決断し、その結果「やっちゃった~♪」って
大笑いするしかないほどばかみたいにこだわった茉莉花茶作りに挑戦しておいて、
本当に好かった~。

先週、行かない決定を伝えた電話口でオーナーが話してくれた。
04年に私が希望した茉莉花茶は、オーナーはじめ現場の師匠たちにとっては、
長年茉莉花茶だけを専門に製茶している職人たちの技術・知識・感覚への挑戦とも
受け取れたそうだ。
そこまで高級な茉莉花茶は市場では必要とされていないため製茶する機会は皆無で、
経験上作ることが可能と予想されても、実際に挑戦したのはその時が始めて。
個々が担当の技と神経を最後まで発揮した結果、成功した極品茉莉花茶だった。
お礼でオーナーに少し差し上げた《玉米8yin》は、その半分をオーナーが自分専用にし、
残りの半分は贈答品で活躍したそうだ。
『愛子の花茶の方法はみんなが覚えているさ。あ~んな面倒なの忘れられるもんか。がははー。
愛子がいなくても張り切っているよ。任せろよ。こ~んな少量。問題ないさ。がっははー。
安心して秋においで。家も完成したぞ。でっけー部屋があるぞ。がははー!』
相変わらずの調子でしゃべるオーナーにつられてガハガハ笑っていたが、嬉しくて泣けた。

2年経た今、ビンテージ用に保存していた《04玉米8yin》を飲んでみて、
改めてその内質のすごさに感動する。
当時は「こんなすごい茉莉花茶作っちゃってどうしよう」「誰か飲みたい人いるのかな」
などと、現場から見ればおままごとみたいに少量でもひとりで飲むには大量すぎて
戸惑ったり途方に暮れた瞬間もあった・・・。
しかし、あの夏があったからこそ、日本にいながら遠隔yin花(?)できるこの夏がある!
なんでも出来るときにやっておくもんだぁ~~~♪(笑笑)

夏の工場には強力な助っ人もいる!
オーナーの3人の子供たち、びんびん、りぃりぃ、かんかん。
ひとりは卒業し2人は現役大学生、パソコンやネットは私よりずっと詳しい。
彼らの助けがあるので連絡も情報も正確で早い。こんなことが出来るなんてすごいなぁ~。
そのうち「茶友のみなさ~ん!現場から中継でーす。」なんて私も出来るようになるのかなっ!!

さて。
06愛里花茶3種どんな感じかな~♪
yin花途中途中の変化を飲みたかったなぁ・・・。
大量の茉莉花が開花する夜の香り、あの大気が恋しいぃ…。
ダメダメ、言わない言わない。
そうと決まれば、この秋が大変になるのは簡単に予想できるから。
今は《04玉米8yin》を飲みながら、秋天に向けてがんばっていまーすっ!

投稿者 愛子 : 09:42 | コメント (2) | トラックバック