おいしいお茶みつけたっ!《幻の中国茶を求めて》ChinatyParty.

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2006年10月24日

06愛里花茶

楽しみに待ってくださっていた皆様、大変申し訳ございません。
06茉莉花茶は連れて帰りません。やめました。
06愛里花茶は・・・ありません。本当にごめんなさい。

おいしい茉莉花茶が飲みたいよぉーーー。
もう家にもあの04愛里花茶は無いよぉ~~~。だって06愛里花茶があると思っていたんだもん・・・。
うわあああーーーーーーん。うわあああーーーーーーん。(涙涙)


オーダーしていた06愛里花茶の。。。
 
手前:06白雪芽 奥:06尖螺     左:06白雪芽 右:06尖螺

 
06尖螺(玉米はもう生産されていないので、代わりに選んだ)    06白雪芽      


今回大陸に来て電話をするたびに、どうもオーナーの歯切れ悪い口調に不安を感じてはいた。
いつものご機嫌な『がっはは~♪』が出てこない。
言うことも毎回なんだかはっきりしない。
『とにかくおいで。品茶してくれ。飲めば解る。とにかく来れば解る。』そればかり言う。
覚悟して、朝からここに来た。

お久しぶりでーす! およよ? 
オーナー元気そうだけど、なんだか気恥ずかしそうな笑い方している、珍しいなぁ。

『愛子~。とにかくこっちこっち。』と、茶庫の中へ。
数種を取り出し《聞》してみる。 ん? ありゃ???

『とにかく品茶してみて。』とオーナー。
「解った。」

 評茶中。
秋のオーナーはパジャマ姿じゃない。あれは夏だけの正装?!(笑笑)

 左:06尖螺  右:06白雪芽

あらららら・・・。

なんでなんでーーー?!?!
なんでどうしてこうなっちゃった???

 左:尖螺 湯色に紅色が出ている。
干茶の状態でも、茉莉花の香気は尖螺が一番好い。
が、不思議な甘みにすぐに気がつく。
この甘みは茶[土丕]が微醗酵した甘み、茉莉花の鮮花による甘みではない。
茉莉花茶にこれが出てしまったら・・・茉莉花茶としては本来失敗。


「ねえねえ、私が確認品茶したあの茶[土丕]を使ったんでしょ?」
「04年のあの茶葉(愛里花茶)と同じ製法したんでしょ?」

苦笑いしながら一緒に品茶を続けるオーナー。
まだ一度も『がっはは~♪』は出てこない。

「これ8yinじゃないよ。茶[土丕]も変わってるよ? 尖螺は途中でちょっと醗酵してない?
それどころか・・・これって・・・陳茶混ぜた?」
『はは、やっぱりばれたか。うん。愛子が大陸に入って電話くれてからな。』 

「なんでえええーーー?!」
『この白く見える部分が全部愛子がオーダーした茶葉だよ。ほら、部分的にきれいだろ?ははは。』
「なら、どうして?!」
『出来が悪かった・・・。』   あぁーーー、それであの電話かぁ。

「全部混ぜちゃったの? なんで混ぜる前の取って置いてくれなかったの?」
『8yinまでやるにはやったんだが、04年とは比べ物にならない。全くダメ、どう考えても不満だったんだ。』
「要するに、オーナー自身満意の出来じゃなかったってことね?」
『ああ、その通り。非常に不満意だ。申し訳ないなぁ・・・。今年はどれこれもダメだ。』
「そういうことか・・・。そういうことならすごく理解できる。」


『来るって知ってもう一度品茶したんだが、やっぱり納得行かない。おいしくないんだよぉー。
愛子がここに来てから何年だ?その中で一番悪い出来だ。
こんなの飲ませられるかよ。俺の信用丸つぶれだ。面子が落ちる。
これまで愛子がもっていった花茶がどんだけ好いものだったか解るか?
愛子の要求はわかっている、要求どおりしたが仕上がりは違った。今年は飲んで欲しくなかった。
だから混ぜちまったっ! がはっ、がははぁ~。』 ←元気なし。
「あは、あははは。。。」

いや、おいしくないわけではないよ。
混ぜちゃったこの2種は、福州の茶葉市場でも今年の最高級の茉莉花茶として
現在取引されているそうだ。


理由がはっきしてきたのですっきりしてきた♪
腰を降ろし、今年の状況について品茶しながら話し合う。

『今年はとにかく[土丕]が全くダメ、愛子に送ったサンプルは好かったんだがなー。
春の気候が悪すぎた。雨が長かっただろ?届く途中で壊れていたのも多くてな。
手工のは特にダメだった。尖螺飲んだろ?
夏の台風も多かった。花も高すぎる、04年の5~10倍だ。』
「うえええーーー。 じゃ、私の花茶に使うあの鮮花等級はもっと高かったってことだよね?」

『そうだ。とにかく花代も異常に高かった。気候や台風の問題もあるんだけどな、
中国ではここ数年急に発展して大金持ちが増えてきているだろ?
昨年今年と、このあたりは空気も景色も好いからな、別荘地開発の建設で花園が多く売られてな、
花の産量が急激に落ちたんだ。高山の方はまだ多く残っているけどな。
とにかく、鮮花全体の産量が少ないから鮮花代が高騰した。

それからなー、物価があがって工人に払う給料も以前より急に上がったんだ。
そうなると、製茶に必要な経費だけ計算したって以前よりとんでもなく高くなっちまう。

それなのに、最近花茶の価格は上がらないんだ。
市場で需要のある茶葉の流行が変わってきているだろ?
花茶は経費が上がっているのに取引価格は上がらない。
だからもう誰も好い花茶なんて作らなくなってきた、市場にある花茶の質は悪くなる一方だ。
好い花茶作る意味がないから、みんなおもしろくなくなってきたんだ。
汗水流して苦労して努力して最高の技術で好茶作ってもな、なんの儲けも残らないんだ。
製茶工場閉めて出稼ぎする人が多くなったよ。

これまで長年花茶の需要が多かった地方もな、ここ数年で鉄観音やらプーアールやら
もっと違うこれまで無かった珍しい種類や形のきれいなものも出回るようになって、
名称だけで高値になる種類でも消費されるようになってきただろ?
中国も金持ちが増えたんだよなー。
花茶の立場は弱くなり安値のものばかりが要求されるんだ、高級な花茶は需要がない。
どんなに好いものを作っても昔のような需要がないんだ、高級な花茶は原価にもならない。

04年まではまだよかったなぁ~、でもあの時の予算じゃ今の茶[土丕]代にも及ばないよ。ははは。』

「うえええぇ・・・。そうかぁ~。
確かにここ数年で市場の傾向は大きく変わったよね。
大量生産できるタイプが流行して、伝統的なものは振り向かれなくなっている傾向がある。
実はね、そういうのとはまた別に日本人にとってはつらいこともあるんだ。

昨年の7月に人民元の切り上げがあってから、日本円の換金レートはどんどん悪くなるし、
日本人の私にとって2年前と今年とでは同じ予算でも人民元にするとその差はすご~く大きいのぉ、
以前のようにはいかない・・・。昨年からレートはどんどん厳しくなる一方だよ。
現場での茶葉代が同じでも私の予算はそれまでとはまるっきり変わっちゃったの。きついよぉ~。」

『ああ、そうか、レートな。飛行機代も高くなって今夏は来られないって言っていたしなー。
はは、あっちもこっちもつらいなぁー。』
「ははは・・・。」

『さて、どうする? 欲しいなら分けてあげるけど・・・。』
「ん、、、。はは。これはなぁ~。 多分、あっても自分で飲まないと思うんだよなぁ・・・。」
『がっはは~、そりゃそうだろー。これまで毎年毎年最高の花茶を飲んでいるんだもんな!』

「本当は私にどうして欲しい?」
『決まっているさ。持って行かないで欲しい。それが一番だ。お互いの信用をなくす。』
「解った、やめる!」
『おう。そうしてくれー♪』

『愛子。来年がどんな状況でも、スペシャルに好い花茶を絶対に作ってやるぞっ!!
愛子が来ても来なくても関係ない、準備して待っている。
材料費はかかるかもしれないが、俺は儲けなんかいらない。こりゃ俺の面子だー!』

「あはは! 必ず来られるように来夏まで私もがんばるよ。うん、来年だねー♪」
 
 06小龍毫は? むむむ・・・。
もう解ったよ、オーナー。(苦笑)


うわあ~。大きなお家がほぼ完成している♪
前より狭い? いえいえ、十分広くて立派です。
私が来たとき用の部屋も見せてくれた! パソコンルームもあるよー。すげー!

 
                          立派な門~。でか~。

『愛子~、今夜は家で晩ご飯食べて泊まっていけ! 麗麗がもうすぐ帰ってくるぞー。』
「きゃー、ありがとう、会いたいな~♪ でも、ごめんなさい。今夜はお父さんと約束しちゃったよ~。」
『あぁ~あぁ~。そりゃ仕方ないな。時間作って別の日にまた泊まりにおいで。』

 サンプルもらった。

以上。
楽しみにして待ってくださっていた皆様には、誠に申し訳ございませんでした・・・。

来年はきっと♪

 

投稿者 愛子 : 2006年10月24日 17:00

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コメント

パンニャさん!
06愛里花茶にもコメントくださって。。。嬉しぃ~♪
04愛里花茶まだ残っていますか、好かったー!!
来夏の終わりまで計算しながら(?!)お楽しみくださいね~。あはは♪

コメント拝見するとすご~~~く嬉しくなります。
日本語話す機会が無いので、文字だけどおしゃべりしているみたい。
中国語よりすらすら出てくるし(当たり前…。へへ。)
お返事書くのがとても気楽で楽しい休憩時間になっていまーす。

みなさま!
お時間があったらまたコメント下さいね。楽しみにしています♪

あ・・・でも、先に謝っておこう。
パソ使える短い時間は、画像整理・記録・ブログ投稿を最優先しているので
他の場所にもつなげたいのですがこのブログ以外に接続する時間的余裕がほぼありません。
パソ向かってもすぐ呼ばれるしぃ~。(笑笑)
サイトをお持ちのみなさま&メールくださったみなさま♪
後回しにして大変申し訳ない・・・先に謝っておきますぅ~。
毎度どうもすみませーーーん!!

投稿者 愛子 : 2006年10月30日 14:56

06愛里花茶、残念です。

でも、ブログを読んで、オーナーの心意気を知り、うれしくなりました。
きっと、来夏はいいお茶できますね。

04愛里花茶を大切に飲んで、来年まで待ちます!


投稿者 パンニャ : 2006年10月30日 00:48

kikueさん!
祥華へようこそー♪(笑笑)

コメントどうもありがとうございます。
拙いブログですが楽しんでいただけているご様子、嬉しい限りです!

06愛里花茶楽しみにしてくださっていたのに、お互い残念な結果になっちゃいましたねぇ…。
すみませぇ~ん。こうなったら来夏に向けて私も気合が入りましたよおおおーーー。
どうぞ来年を楽しみにしていてくださいませ♪
しかし、出発前のkikueさんご自身のご決断がタイミングバッチリ、素晴らしかったですね!
あの時お届けできて本当に好かった。。。と思っていたところです。ふふ。
最後のひと芽までお楽しみいただけらとてもとても嬉しいです♪

おとんの家に戻ってからは、朝昼夕晩夜中早朝。。。茶葉につきっきりになっています。
ブログ進んでいませんが、とびっきりの鉄観音の横で汗流しながら
大笑いしていると思っていてくださいねーーー。(笑笑)

それでは、昼炒のホン干一回目が終わったようなので製茶室に戻りますっ!

投稿者 愛子 : 2006年10月29日 15:42

06愛里花茶 本当に残念です!!!
切実な諸事情、辛いところですね。
リアルタイムに様々な現場があり、あれこれと知ることとなり興味津々・嬉しい限りです。
04愛里花茶、毎日大事に飲んでいます!感謝しています。
お帰りになったら、ぜひ他のお茶も品茶させてくださいませ。
では、とにかく、お身体に気を付けて!!待ってます~!


投稿者 kikue : 2006年10月28日 23:12

smashさん!&ふじたまさん!
コメント嬉しい~、ありがとうございまーーーす♪

ほんと残念でしたぁ…。
でも本当に仕方がないことなんですよねぇ~。
そうですねっ。オーナーのあの心意気に期待し、私も来夏は来られるようにがんばりますよー♪

04愛里花茶をお持ちのみなさま!
どうかどうか楽しんでくださいね~♪
その2種は本当に本当に奇跡のような素晴らしい茉莉花茶です。

そうそう、次だ次!
よっしゃー。行ってみようっ♪(笑笑)

投稿者 愛子 : 2006年10月28日 03:39

うわー、残念。
でも仕方ないですよね。そういうこともありましょう。
また来年、楽しみが増えました。
04愛里花茶、残りわずか大事にいただきます!

投稿者 ふじたま : 2006年10月27日 22:33

06愛里花茶、残念。
飲みたかったなぁ。
でも農産物だもの、しょうがないよね。
国が発展していくのを止めることもできないし。
こうなったら、オーナーの来年にかける心意気に期待します。

愛子さん、じゃ次、行きましょう!!

投稿者 smash : 2006年10月27日 20:38

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